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第1回!中級ヨットコース 2005年6月3日



天候は快晴。参加者は、森岡さん、田村さんと私の3人。初級体験コースを入れるとこれが4回目のヨット操船なのでだいぶリラックスしていた。それでも家の外で一泊すると言うのは久しぶりなので、体調が維持できるか心配もあった。


航海は勿論慎重に行きたいところだが、知らぬ他人と一泊二日は初めてなので、若干の緊張感もあった。実は最近私は「すごいいびき」をかくと妻から言われており、同乗者に迷惑をかけないかと心配であった。


出航はインストラクターの都合で一時間半遅れの10時半。私は出航の艇長を命じられて、少し緊張した。舵を握れば自分が船体についての全責任者なのである。艇の安全と同乗者の命を預からなければならない。


もちろん他船についても衝突を避けなければならない。実はこれがかなり難しいのである。陸上の車と違って、遠くかなたの洋上にある船舶でも走っていれば、自船との衝突コースになるかもしれない。そのときどう判断し、対策を講じるかが船長の判断にまかせられるので難しい。


往路は風が真正面なのでセールをあげることが出来ずに機走(エンジンでの走行)であった。風は真正面ながら涼しげな風が吹いていて、洋上は鏡のような凪状態だった。出航は遅れたものの目的地であるサントピアマリーナには午後4時ごろ予定通り到着。


しばし全員休憩して、マリーナの大浴場で潮風に焼けた肌を洗い落とした。気持ちは最高。レストランでとんかつ定食を食べ、船に戻って中級の座学である。そして各自自由時間をあたえられ、残りの2名は、コンビニへ酒を買出しに行き、私は睡眠薬を飲み眠りに付いた。


やはり往路の疲れにもかかわらず、早起きが癖になっていて朝の3時前には起床した。一人ヨットを抜け出して深夜の桟橋でコーヒーとおにぎりをほおばる。それでもまだ4時過ぎ、ベッドに戻ってみると眠りがまた押し寄せ、今度は皆と同じ8時前に起床。


朝になって私のベッドの間仕切りが閉まっていたので聞いてみると、やはり、かなりのいびきだったらしい。それはさておき、インストラクターが、目にも鮮やかなレタスとトマトのサラダと目玉焼きにウインナーの朝食を用意してくれた。ヨットの上での食事だがこれもまた格別の美味しさだ。


昨晩の課題で帰りは淡路島の北のほうにある小さな漁港らしき所に一旦入港して帰り道に付く航海計画を立てさせられていた。それに従い航行するも、潮の流れのためかコースずれが激しく、一時間交代の舵取りの後に各人が現在地をGPSで確認してみると誤差がでた。


とにかく目標とした港へは無事到着し、構内を一回りして帰路に着いた。昼飯はカレーライス、船上で食べればとてつもなく旨い。


今度は風が横から吹いてくれたのでセールをあげて、帆走、それでも時間の制約からエンジンも平行して作動。やっと新西宮マリーナに近づきかえれると思ったところ、突如、先輩格の二人が「落水者救助」の練習をやりたいと言い出し、閉口してしまったが、団体行動では仕方ない。


ボートのときは好きな練習であったが、30フィートもある船体で、落水者救助の練習はきつい。一旦10艇身はなれて、そこで風上へタック、それから落水者へ船首を向けてジブセールをジャイブ(風になびかせてしまう)させて船速を落としてボートフックで救助ロープを吊り上げて救助完了。


それを一人2回ずつさせられて意気が弾むほどしんどかった。とんだ最後のお土産である。落水はしないのが原則。実際の状況においては、波もありチームワークや人手があっても落水者を探すことなど殆ど不可能だと教えられた。それでも知っておかねばならないのは事実で、学ぶことが出来たのはラッキーだったのかもしれない。落水を防ぐには「命綱」をつけるしかない。





明石大橋を背にして航行中





無事サントピアマリーナに到着





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