平成18年9月東ボヘミア編1:ポリチカ、スヴィタヴィ






   東ボヘミアの片田舎に、ポリチカという、人口1万人足らずの静かな小さな町があります。ドボルザーク、スメタナの次に代表的なボフスラフ・マルチヌーという音楽家の生まれた町です。音楽家でも有名ですが、この町の魅力は、何といっても中世の堅塁として建てられた城壁が、ほとんど残されている事です。城壁と表現しても(他の日本語訳が見つからない)、お城ではなく、町をぐるりと取り囲む壁です。中世時代、ヨーロッパは町ごとに壁で囲まれ、敵の侵入に備えていました。プラハも以前は周囲に壁があり、現在いくつか残っている塔のような門は、この壁に付いていた、町への入場門の名残です。ヨーロッパの近代化は、まず町の周囲の壁を取り壊す事から始まったそうです。

 ですがポリチカでは、まだこの壁を見る事ができます。また、この壁が個性的な町の景観を作っています。




町を取り囲む城壁 









壁沿いにある小さな家並みと子供たち






塔の見える裏通り






何故かこんなステッカーの貼ってある町の飲み屋






ボフスラフ・マルチヌーの像
日本ではあまり知られていない?



 次はスヴィタヴィを紹介します。

この町は、ポリチカからバスで30分。この辺りではちょっと開けた町で、ここからなら、プラハへ行く電車も出ています。特に何もない町ですが、行ってみたかったのは、オスカー・シンドラーが生まれた町だからです。千人ものユダヤ人を救い、戦後は富を失って彼を慕うユダヤ人達に助けられながら亡くなったドイツ人というのは、皆さん映画でご存知ですね?彼の生まれた家が残っているのですが、現在住んでいるのは、全く関係ない人だそうです。シンドラーの遺物も何も、ここにはありません。博物館にちょっとしたコーナーがありました。








シンドラーの生まれた家
何の変哲もない、貧しいアパートでした。






生まれた家の向かいの公園入り口に、「一人の人間の魂を救う者は、全世界を救う」というユダヤの銘が彫ってある記念碑がありました。1994年に、映画「シンドラーのリスト」のチェコ公開を記念して建てられたそうです。








スヴィタヴィの中心広場:きれいな広場でした。
シンドラーがここで買い物したり、カフェに座ったりしたのでしょうか。






町の博物館。シンドラーのコーナーもありました。





シンドラーのリスト







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